ぐんぐんと値上がりを続けるフジのフィルム。こちらの「VELVIA50」さんは、ほぼ2,000円。大富豪専用のフィルムになってきました。
特徴は優れた粒状性と解像力。そして鮮やかさです。
感度が50ということもあって、使用頻度は少なめなので、個人的には「VELVIA50」よりも、「PROVIA400X」の生産を続けて欲しかったです。
もっぱらクロスプロセス現像専用として使っていたフィルムなので、それを込みのレビューとなります。
クロスプロセス現像で実現するビビッドな世界
僕がフィルムカメラをはじめた頃は、トイカメラやクロスプロセス現像が流行っていました。2005年前後かな。
コダックのエクタクロームでEPPって種類があって、それが超絶抜群にクロスプロセス現像との相性がよかったのですが、割と早い段階で生産終了しました。
そこからはコダックの他のリバーサルフィルムを使うか、この「FUJI VELVIA50」でした。
見て頂ければ分かるかと思いますが、かなりゴリゴリです。コントラストもかなり強いです。
だけどインパクトも大。
当時はネガの緩さや柔らかさだと物足りなくって、6割くらいクロスプロセス現像をしていました。
基本は緑系に転びますが、うっすらと青も乗ってくる。そして赤の発色が特に強烈でした。
フィルムの現像方法を変えているだけで、加工ではありません。
でも、展示をすれば、「フォトショップで加工してるね〜」なんて言われたのを思い出します(笑)。
クロスプロセス現像はやや博打要素もあって、真緑に染まることもあります。
日陰で撮ったり、色のあまりないものを撮る、あとは逆光などの相性は悪いです。でも、突然変異的に大化けすることもあって、その結果に凹んだり、小躍りしたりしていました。
そんなクロスプロセス現像の時代も終わり(笑)、いまはデジタル一眼で撮影して、RAW現像でゴリゴリに加工して鮮やかにされた写真を見かけます。
『撮影そのままの結果』を楽しむことからは、離れてしまった時代だなとも感じますね。
ネイチャーフォトにはリバーサルのノーマル現像も!
もっぱらクロス専用でしたが、花や空を撮った時の鮮やかさは抜群でした。
クロスとは違い、現実世界を見た目よりも鮮やかにしたような感じですね。
今、販売されているフィルムの中では一番鮮やかです。別感度の「VELVIA100」も鮮やかで赤の発色に優れていますが、こちらは全体の色を鮮やかにしてくれます。
描写は固めですが、『一番鮮やか』という部分では使う場面もありますね。
今、写真を見比べてみると、リバーサル現像の結果の方が好きかもしれません(笑)。
クロスプロセス現像の写真が好きな方はハマるし、リバーサルフィルムを使ったことがない方は、その鮮やかさにきっと惚れますよ。
やっぱりライトボックスなどで、現像済みのフィルムをみると、本当に美しいです。
ただっ、高いっっ!!
ふんわり ☆☆☆☆☆
鮮やか ★★★★★
ノスタルジー ★☆☆☆☆
ドリーミー ★☆☆☆☆
キレイ ★★★★☆
面白さ ★★★☆☆
価格 ☆☆☆☆☆
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