僕がフィルムカメラを使う理由はたくさんあります。持論を語りたいというよりも、楽しさを広めたいと思っているのですが、今回はその第三段です。
その①は「ただのこだわり」で、その②は「一枚を大切に撮れるから」でした。
続くその③は、「撮影前に出来上がりを想像して撮るようになるから」です。
もちろんこれはデジタルにも言えることですが、今回はそこをじっくりと詰めて書いていきます。
フィルム選びで雰囲気や色味を決めてから撮影する
そこそこデジタルカメラに精通していると、JPGではなく、RAWで撮影しますよね。
(厳密にいうと、僕はJPGとRAWで撮影して、JPGはPCに保存してRAWは外付けのハードディスクに保存していますが)
とにかく、撮影した写真はほぼ100%なんらかの補正をします。大幅にガラッとは変えませんが、明るさやハイライトや明瞭度、ホワイトバランスも少し触ります。
『撮影後に、後から』です。これまたやっている方は分かると思いますが、時間がかかります。撮影よりも、編集作業の方が時間をかけているくらいです。
僕は圧倒的に撮影時間の方が好きです。でも編集するのはより良く見せたい為です。もちろん、出来上がりが良くなれば嬉しいです。
だけど、フィルムで撮影する時は、この編集時間はほぼありません。
その代わりに撮影前のフィルム選びが重要になってきます。
たとえば、ノスタルジックな場所や被写体なら、「Retro chrome320」を使います。
花をふわっと撮りたい時は、「FUJI PRO400H」を。
雨などで少しテンションがあがらない時、少し変化が欲しい時は、Yodicaのエフェクトフィルムやロモのパープルを。
カメラやレンズの特性を活かしたい時は、「FUJI C200」や「FUJIの業務用」を使います。
多重露光などでインパクトを重視・強調したい時は、「Kodak Ektachrome E100」でクロスプロセス現像をします。
このように、場所や被写体でフィルムを使い分けています。どれも色味や雰囲気が違っているのが分かるかと思います。相性も良いかなと思っていますし、フィルムそれぞれの個性をつかめば、結果を想像して撮ることができます。
自分で撮っている感覚が強くなるから
デジタルカメラだとどうしても、カメラの性能に頼ってしまうというか、『撮ってもらっている感』があります。
後から画像を調整するのも、当たり前のようにやっています。
だけど、フィルムの場合は先ほど書いた通り、撮影前に決めて撮っています。
この楽しさこそがフィルムの醍醐味で、ハマると抜け出せません。
もちろん、場所や明るさによってはデジタルカメラの方がいいこともあります。オートフォーカスの速さや正確さ、感度設定に関しては、フィルムは敵いません。
撮影枚数なんてフィルムは36枚撮ったら、巻き戻して、また装填しなくちゃいけません。
結婚式なんてフィルムでは撮ってられません。
だから僕も、デジタルはガンガン使っていきます。

でも、自分で撮っている心地良さ、考えて撮る、という部分ではフィルムの方が断然上です。
とにかく、どんな雰囲気で撮ろうか考えて、想像してフィルムを選び、そのフィルムの味が出せる撮り方や光を考える。ピントリングを回して被写体とじっくりと向かい合う。
そしてドキドキして出来上がりを待つ。
この全ての時間が至福の時なのです。
ブログでも、ワークショップでも、この楽しさを伝えたいなと思っています。ぜひ、フィルム選びから楽しんでください◎