安価こそ神レンズ?「HELIOS-44-2 58mm F2」(オールドレンス「ヘリオス」の作例)

よくレンズのレビューなんかで「神レンズ」って言われてるものがありますよね。デジタルにしろフィルムのレンズにしろ、価格が安くて良く写るから「神」としているレビューがありますが、個人的には描写だけで判断して欲しいです。

それをふまえて言うと、僕の中の神レンズは「OLYMPUS ZUIKO AUTO-MACRO 90mm F2」です。
オールドレンズ(フィルムカメラのレンズ)の中では高価で、6万〜10万円くらいで取引されています。

描写力や使い勝手で考えると『Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ(カールツァイス プラナー)』ですね。

そして今回ご紹介するのが、安いけどこれだけ撮れる系の神レンズ『HELIOS-44-2 58mm F2』です。
価格は一万円以内で買えますが、描写力もありながら、雰囲気抜群。エモいレンズなんですね。

 

一番の特徴はグルグルボケ

ボケ部分がグルグル回っているのが分かるかと思います。
『HELIOS-44-2 58mm F2」の一番の面白味はこれだと思います。

このグルグルは周辺に出るので、写真のように玉ボケが出るシチュエーションだと分かりやすいですね。

続いては、使い勝手一番の『Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ(カールツァイス プラナー)』と比べてみましょう。

撮影したのは別の日ですが、ほぼ同じ時間で同じ場所。どちらも開放で撮影しています。
ボケ部分が全く違いますね。開放がF1.4とF2の違いこそありますが、プラナーはボケがトロッと柔らかいです。

 

jpg撮って出しの味

こちらはjpg撮って出し。RAW現像でいじらなくても雰囲気抜群ですよね。まぁピント外しちゃっているんですけどね(笑)。

逆光で撮って出しだと少し淡くなるんですが、それがまた良いですね。

まぁ、ついついRAW現像でいろいろいじっちゃいますが、そこは好みですね。

 

逆光適正について

逆光にはめちゃくちゃ弱いです。謎の白いフレアがあわられます。
レンズが古いものなので、曇りがあるんでしょうけど、レンズを見た感じでは曇ってないんですよね。他の方の作例でもみかけましたので、何かあるのかな。

ド逆光ではなく、少し隠して撮れば白いモヤっとも軽減できます。こちらは絞り開放で撮影しています。

絞り込んじゃった悪い作例です。ここまでモロに絞りの八角形が出たのはこのレンズが初めてかも。
絞り込むほどに味気がなくなりますね。

絞ってF11で撮影。太陽を隠して撮るとパキっとしますね。

虹色のゴーストも出まくります。

曇っているし「ダメジャンクレンズ」かもしれませんが、僕の中ではある意味、良く言えば「幻想的に撮れるレンズ」です(笑)。

 

開放でバンバン撮りたくなるレンズ

癖はあるけど、開放でバンバン撮るのがおすすめですね。ぐるぐるボケもいいけど、それが出ない時のボケ方も悪くありません。
開放でのピントの合う部分は割とカリッとしていますよ。

最後にライティングで遊んでみましたが、言われないと安価なレンズとは気付かないのでは?

僕はしばらく使って、結局は『Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4 MMJ(カールツァイス プラナー)』がメインになっていますが、「逆光でのある意味幻想的な曇り」は面白かったので、また秋のコスモスポートレートに使ってみようと思います。

僕はSOMY α7で使っていますが、「HELIOS-44-2 58mm F2」はM42マウントなので、「Super Takumar 55mm f1.8」と同じマウントアダプターですね。

とにかく安いし、フィルムの描写が好きなら買って損はなしですね。