期限切れフィルムは面白いけど、高値で購入するものではない話

このブログではフィルムについて色々書いていますが、僕の得意分野はフィルム別の発色の違い、です。
この点だけでいうと、世界でもトップレベルな知識があります。あると思います。ある、かな。あればいいな。

フジやコダック、その他海外メーカーなど、使うフィルムによって、色味や雰囲気はガラッと変わります。
だから僕は、撮影場所や被写体によって、フィルムを使い分けています。

RAW現像などで後から色味を変えたりするのではなくって、撮影前に撮れる色味や雰囲気を決めて撮る。
フィルムの醍醐味でもあります。

ですが、結果が全く読めないフィルムもあります。それが期限切れのフィルムです。
これもまた、フィルムの面白さですね。

 

フィルムの期限とは?

フィルムは生物。だから期限があります。期限は箱に明記されています。
製造から2〜3年くらいです。それを越えると劣化します。

賞味期限に言い換えると、食べることが出来なくなるのではなく、食べれるけど味は落ちますよ。ってこと。

 

劣化するとどうなるか?

共通している部分でいうと、まずは感度が落ちます。フィルムの感度と合わせて撮影すると、少し暗くなります。
そしてザラつきが強くなります(特に暗い部分)。

よく言えばフィルムらしさがより強まります。

そして、カラーバランスが崩れます。これはフィルムによりますが、ただ薄くなるだけのものもあれば、なぜか濃くなることもあります。
ピンク色や黄色が強まることもあります。

フジは色が濃くなることが多い気もしますが、一概には言えません。
だからどのフィルムを使えばいいか、というのは保存状態によっても変わるので、答えはありません。

言えるのは、10本セットになっているものがあれば、1本使えば他も同じ結果、ってことくらいです。

リバーサルフィルムは劣化が早いです。真夏の車の中に置いておくと、一気に劣化します。
フジのフィルムはあまり劣化がしません。品質が良いですね。10年切れで普通に撮れることもあります。

中国のメーカーなどは劣化が早いですが、これも保存状態が同じではないし、試しまくったわけでもないので、分かりません。

ほぼ博打なので、それも含めて楽しみましょうって感じですね◎

 

入手方法と適正価格について

カメラ屋さんではあまり販売されていませんね。だからヤフオクやメルカリで購入することになります。
ただ、最近はその価格もなぜか高騰しています。

僕は、生産終了したフィルムで、保存状態も良く、期限切れから3年程度なら、高値で購入することもありますが、基本的には安く購入しています。

10年切れで10本で1万円以上で販売しているものを見ますが、これはやめときましょう。
劣化具合によっては、ほとんど像が写らないこともあります。

とりあえず適正価格は、当時よりも安いかどうか、です。

600円で売っていたフィルムなら、200〜400円。それを珍しいから使ってみたいって1,000円以上出して購入するのはオススメしません。

 

狙い目の期限って何年くらい?

これがなんとも言えません。とにかく使ってみないとわかりません。
たとえば、フジの10年切れの業務用を使って、それがいい色味だったーと、また新たに10年切れの業務用を購入しても、違った結果になることは多々あります。

僕は上記の「FUJI PROVIA400X(リバーサルフィルム)」のクロスプロセス現像の色が好きなのですが、生産終了したフィルム。
当時の色のまま使いたいのなら、冷暗所保存で5年以内が購入の目安です。
1本1,000円程度ならありでしょう。

期限切れを楽しみにたいのなら、フジなら10年程度。コダックなら5,6年くらいが目安です(どちらもネガフィルムの場合)。
コダックで15年切れとなると、ただ薄ーくぼんやりで、いまいちなことが多いです。

とりあえず。いずれにしても、外せない撮影の時は使用しない方が懸命です。
何度か撮った場所だとか、他のカメラでメイン撮影しているなど、失敗してもオッケーな気持ちで使ってみてください。

 

最後に僕の中でのミラクルな一枚をご紹介。

劣化が激しくて、膜も少し剥がれていたフィルムをクロスプロセス現像した結果です。
真昼間に撮影しています。星のように見えるのは膜破された部分。

青一色な写真ですが、撮影から数年経った今でもお気に入りです◎

 

 

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