Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8 実写レビュー|プラナーが高いと感じる人にもおすすめの1本

こんにちは、猫写真家の雨樹一期(あまきいちご)です。
今回はオールドレンズ「Carl Zeiss Jena Tessar(カール・ツァイス・イエナ テッサー) 50mm F2.8」の作例レビューとなります。

カール・ツァイスと聞くと、僕が神レンズと崇める「CONTAX Planar T* (プラナー)50mm F1.4 」や、「Sonnar(ゾナー」)を思い浮かべる方も多いと思います。
でも、今回取り上げるのは、旧東ドイツの「Carl Zeiss Jena」が手がけた、M42マウントの標準レンズです。
こちらについては後ほど解説いたします。

 

 

結論を先に言うと、実際に使ってみると「Tessar 50mm F2.8」は小さく軽いのに、写りはとても印象的でした。
開放では自然なボケが楽しめて、絞るとぐっとシャープに。
さらに寄れるので、花やテーブルフォトにも使いやすい一本です。

今回は、ミラーレスに装着して撮影した実写作例とともに、描写の特徴や魅力を詳しく紹介していきます。
ツァイス系オールドレンズを探している方は、ぜひ参考にしてみてください。

プラナーに比べると安価で気軽に楽しめるのもポイントです。

 

 

 

「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8(カール・ツァイス・イエナ テッサー)」とは?

「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8」は、旧東ドイツのカール・ツァイス・イエナが製造していた標準レンズです。
マウントはM42で、オールドレンズの中でも比較的手に取りやすい一本として知られています。

「Tessar(テッサー)」はレンズの設計名で、1902年に誕生した非常に歴史のある光学設計です。シンプルな構成ながら高い描写性能を持ち、「鷹の目(イーグルアイ)」とも呼ばれてきました。

実際、このレンズもコンパクトで扱いやすいサイズ感ながら、しっかりとした解像感とコントラストを持っています。オールドレンズにありがちな「緩さ」や「甘さ」だけでなく、場面によっては現代レンズのようなシャープさも感じられるのが特徴です。

また、レンズに書かれた「Jena」や「DDR」という表記は、旧東ドイツで生産されていたことを示しています。

第二次世界大戦後、ドイツの分断によってカール・ツァイスも東西に分かれ、東ドイツ側は「Carl Zeiss Jena」、西ドイツ側はCONTAXなどを展開する「Carl Zeiss」として、それぞれ別のレンズを生み出していきました。

先ほど神レンズと紹介した「Planar(プラナー)」は西ドイツ側になりますね。
それに対して、このTessar 50mm F2.8は東ドイツ製のレンズで、同じツァイスでも背景が異なります。

そのためか、写りにもどこか独特の雰囲気があり、いわゆるCONTAXのツァイスとはまた違った魅力を感じる一本です。

マウントはメジャーなオールドレンズが豊富な「M42マウント」なのもおすすめポイント。

価格も比較的手頃で、ツァイスの描写を身近に楽しめる一本と言えるかもしれません。

 

M42マウントで人気の定番レンズたち

M42マウントの魅力は、名玉と呼ばれる人気のオールドレンズが数多く揃っていることですね。ここでは、その中から定番レンズを3本ご紹介。
オールドレンズはマウントごとにアダプターが必要ですが、M42ならいろいろなレンズを使い回せるのも魅力ですね。

◻︎Super Takumar 55mm F1.8

「Super Takumar 55mm F1.8」は、手頃な価格で人気。超ど定番オールドレンズです。

逆光では虹色のゴーストが現れ、ノスタルジックな描写が楽しめるのが魅力。
個人的には「Super Takumar 50mm F1.4」も高スペックで好きですが、味わい深さではこちらの55mmの方に軍配があがりますね。

 

◻︎Helios 44-2 58mm F2


Helios 44-2 58mm F2は、「これぞオールドレンズ」と言いたくなる個性派レンズです。

ぐるぐるボケや逆光での白っぽいフレアも印象的で、現代レンズにはないクセを楽しめる一本です。価格も手頃で、オールドレンズの面白さを味わいたい方にぴったりです。

 

◻︎Jupiter-9 85mm F2

やわらかく、なだらかなボケが魅力の中望遠オールドレンズです。

コントラストは控えめで、全体にふんわりとした優しい描写が特徴。
立体感やキレを強く出すタイプではありませんが、階調がなめらかで、ポートレートでは独特の空気感を楽しめます。
玉ボケもきれいで、上記の2本とは違った部分でのオールドレンズらしさを楽しめる一本です。

 

Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8の描写の特徴

今回ご紹介する「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8」は、描写力と使いやすさのバランスが良く、M42マウントの中でも常用レンズとして楽しめる一本だと感じました。

ということで、ここからは実際に撮影した作例をもとに、その描写の特徴を見ていきます。

 

開放F2.8からシャープ|描写の特徴を作例で紹介

開放F2.8で撮影してみると、思っていたよりしっかり写ってくれました。たくさんのオールドレンズを使ってると1枚撮ると分かるんですよね。わ、さすがツァイスレンズって。
ピントの合った部分はきちんと鋭く、花びらの質感もしっかり出ています。

ちなみにライカの「SUMMICRON-M 28mm F2」をレンタルで使った時は、目ん玉飛び出ました。キレッキレのキレキレで。
ま、値段を確認したら80万円くらいで白目になりましたけど 笑。

そう考えると「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8」は価格を考えるとコスパめっちゃ良いです。
開放F2.8なので大きくボケるレンズではないのですが、自然に被写体が浮かび上がって、見ていて気持ちのいい描写です。

「あー、なんか好きー」ってなります。

しかもこのレンズ、寄れるんですよね。
撮影最短距離が35cm。被写体との距離を詰めて撮れるのもおすすめポイント。

さらに絞っていくと、描写はよりシャープに。
F8ではキレ味が増し、F16ではカリッとした印象。色の乗りも良く、絞ったときの表情もまた魅力的でした。

開放から大きく崩れず、絞ればさらに安定する。
オールドレンズらしい味わいはありつつも、ただ甘いだけでは終わらない。この素直さと描写の良さが、「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8」の面白いところだと思います。

 

艶っぽさとドラマチックさが魅力

このレンズを使っていて印象的だったのは、ただシャープなだけではないことです。
写りにはどこか艶っぽさがあって、光や空気まで少しドラマチックに見せてくれるんですよね。

色の乗りはしっかりしていて、コントラストもほどよく強め。
派手すぎるわけではないのに、被写体がふっと浮かび上がるような感覚があります。特に人物や猫を撮っていると、その空気感の違いを感じやすい気がしました。

娘を撮影した作例では、肌や髪の質感にどこか艶っぽさがあり、ただ解像しているだけではない魅力があります。
ボケも自然なので、主張しすぎず、それでいてちゃんと雰囲気をつくってくれる。

女性のポートレートにも相性の良いレンズだと感じました。

猫を撮ったときも同じで、毛並みの質感や空気感がうまく乗ってくれます。

描写力のあるレンズは安心して使えますが、このレンズはそこに少し色気のようなものが加わるのが面白いところです。

撮り方によっては周辺のボケが少しざわつくこともありますが、それもまたオールドレンズらしい味わいに感じました。

カール・ツァイスのレンズを使っていると毎回思うのですが、ドラマチックさがあるんですよね。
くっきり写るとか、ボケがきれいとか、そういうわかりやすい要素だけではなく、写真全体の空気に少し物語が宿るような感覚です。

もちろん好みはあると思います。
でも、ただシャープなだけでは物足りない方や、少し情緒のある写りが好きな方には、このCarl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8はかなり刺さる一本だと思います。

 

逆光で際立つ柔らかいハレーションとゴースト

オールドレンズを使う楽しさのひとつが、なんといっても逆光での描写。
Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8もとても印象的でした。

強い逆光では、ふわっとしたハレーションや柔らかなゴーストが現れます。

同じM42マウントのタクマーやヘリオスみたいに派手に暴れるタイプではないのですが、その控えめさがちょうどよくて、画面に自然な空気感を加えてくれるんですよね。

虹色の輪がはっきり出るというよりは、光がやさしくにじみながら入り込み、写真全体が少しドラマチックになる印象です。

先ほど艶っぽいって書きましたが、ほんといつもの写真に化粧したような感じ。

もちろん、光の入れ方や角度、絞り値によって表情はかなり変わります。

少し角度を変えるだけでハレーションの出方が変わるので、撮影していてとても楽しいレンズでした。

今回の作例でも、公園や散歩道の光を入れたカットで、このレンズらしいやわらかな表情がよく出てくれました。

オールドレンズらしいクセはありつつも、扱いにくすぎない。
そのバランスの良さも、このTessar 50mm F2.8の魅力だと感じます。

強烈な演出ではなく、やさしく光をまとわせるような逆光描写を楽しみたい方には、かなり相性の良い一本です。

 

Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8を使ってみた感想

実際に使ってみて感じたのは、とにかくバランスのいいレンズだなということでした。

オールドレンズというと、強烈なクセがあったり、扱いが難しかったりするものも多いですが、このTessar 50mm F2.8はその中間に位置するような存在です。

開放から比較的素直に使いやすく、絞るとさらにシャープになる。それでいて、ただ無難なだけではなく、どこか艶っぽさやドラマチックな空気感もきちんとあります。

派手に暴れるタイプではないのに、撮った写真を見返すと「いいな」と思わせてくれる。そんなレンズでした。
コンパクトで軽く、気軽に持ち出しやすいのも魅力で、散歩しながら撮るような使い方にもよく合います。

これまでに使ってきたM42マウントのオールドレンズの中でも、描写力と使いやすさのバランスはかなり良い方だと感じました。

 

Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8はこんな人におすすめ

強すぎるクセよりも、描写力と扱いやすさのバランスを重視したい方に向いているレンズです。

たとえば、

・オールドレンズをこれから始めてみたい方
・M42マウントで使いやすい標準レンズを探している方
・雰囲気のある描写を楽しみたい方
・ツァイスらしい空気感を、比較的手頃に味わってみたい方

ここに当てはまる方にはかなり相性の良い一本だと思います。

「Planar 50mm F1.4」のような定番ツァイスに憧れつつも、もう少し気軽に楽しみたい。
そんな方にとっても、「Carl Zeiss Jena Tessar 50mm F2.8」は十分魅力のある選択肢です。

どちらかを購入とかではなく。「Planar 50mm F1.4」を持っていたとしても、欲しいオールドレンズの一つになりますね。

 

 

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