こんにちは、フィルムカメラとオールドレンズを愛する猫写真家の雨樹一期です。
今回は、僕の愛機LOMO LC-A(+)を徹底レビューします。
LOMO LC-Aは僕が最初に手にした35mmフィルムカメラであり、今でも一番よく使っているカメラです。
最初の写真は2005年の秋。それから2026年の今まで、いろんなカメラに浮気してきましたが、「やっぱりあんたが一番」とLC-Aに戻ってきました。
約20年。妻よりも付き合いが長いカメラです。
年間で200本近くフィルムを使用していた時期もあり、数えきれないくらいの失敗もしてきました。
それでもめげることなく、あまのじゃくなこのカメラと一緒に写真を続けてきました。
この記事では、長く使い続けてきたからこそ分かる、LOMO LC-A(+)の魅力やクセを、作例とともに紹介していきます。
目次
LOMO LC-Aってどんなカメラ?
LOMO LC-Aは、オート露出・ピント合わせは目測の35mmコンパクトフィルムカメラです。
周辺光量落ちや鮮やかな発色、緩めのピントで、トイカメラブームにも乗って、人気が出ました。
操作はシンプルですが、写りには強い個性があり、「上手く撮る」よりも「感じたまま撮る」という楽しさも味わえるカメラです。
と、ざっくりと説明しましたが、ここから詳細を熱く語っていきます。
一番よく撮ってきたカメラがLOMO LC-Aだった
LOMO LC-Aは、僕が最初に手にした35mmフィルムカメラです。
カメラの知識も、撮り方もよく分からないまま、とにかくシャッターを切り続けていました。
このカメラで撮り続けた時間があったからこそ、写真を仕事にするようになり、今の自分があると思っています。
少し大げさかもしれませんが、LC-Aは「僕をカメラマンにしてくれたカメラ」だと感じています。
いろんなカメラに浮気しても、気づけばまた持ち出している。
性能が高くて、描写に優れていて、故障しにくい、
というわけでもないのに、なぜか離れられない。そんな存在が、LOMO LC-Aです。
LOMO LC-A(+)の魅力について
僕がなぜLOMO LC-Aに心を惹かれているのか。
同じように、このカメラを使い続けている人がいるのはなぜか?
それは、LC-Aでしか撮れない世界があるからなんですよね。
先に感覚的な話をして、その後に描写について書いていこうと思います。
唯一無二の空気感
LOMO LC-Aの魅力をひと言で表すのは難しいですが、あえて言うなら「その場の空気を閉じ込めてくれる」カメラということです。
もう、言葉で伝えるのが難しくって。感覚なんですよね。
シャープさや正確さではなく、その場に流れていた雰囲気や温度感まで一緒に写り込むような感覚があります。
個人的な話ですが、僕が撮りたい世界のど真ん中をそのまま表現してくれるんですね。
古いアルバムをめくった時のような感覚
たとえば、昔のアルバムとかを見ていると、
「そういえば、この頃はこんなことあったな」
「楽しかったなー」
「青春してたなー」
とか、ちょっと胸がチクチクするような感覚になることはありませんか?
でも、それって今が不幸なわけじゃなくって、いろんな過去があったから、今の自分があるとも思えるんですよね。
この感覚も幸せの一部だと思うんですね。
結婚したとか、子供がうまれたとか、夢が叶ったとか、そんな分かりやすい幸せの形ではないけれど。
なんかちょっと切ないんだけど、きっと幸せなんだなって。
このなんともいえない感情や感覚が僕の表現したい世界で、それをLC-Aは表現してくれるんですよね。
これこそエモい描写のフィルムカメラ

なんともいえない感情や感覚。これこそまさに、エモーショナルな描写と言えるのではないでしょうか?
僕が撮り始めた頃は「エモい」なんて言葉は使われていませんでしたが、ノスタルジーを感じさせてくれるカメラだったので、昭和レトロな場所に行くときは、必ず連れていきました。
というか、毎日カバンに入れてましたけどね。
ところで、この上記の写真めっちゃ面白くないですか?
ごった煮というか、ツッコミどころ満載で 笑。
ザリガニという名前のゲーセン、エロすぎるガチャ、幼児大好きアンパンマン、ゲームしないくせに座ってるおっちゃん。
一枚の写真にストーリーがうまれる
写真って一瞬を捉えるものだけど、どんな写真にもきっとストーリーがあります。
でも、ただ闇雲に撮るだけでは「ただの静止画」になります。
ただ美しい、
ただかわいい、
それだけで終わる写真もたくさん見てきました。
悪くはないけれど、どこか深さがなくて、心に残らない。
でも、たった一枚の写真なのに、その前後に流れていた時間や出来事を想像できるような写真を撮る方もいます。
自分も、そんな写真を残せたらいいなと思うようになって、
それを体感させてくれたのが、LOMO LC-Aでした。
もちろん、これも自分の中での感覚ではあります。
いまこの作例写真を見ても「え?意味わかんない。何も感じない」と思う方もいると思います。
それでも、個展を開催した際には、同じような感覚で写真を受け取ってくれる方が思っていた以上に多くいました。
それはやっぱり嬉しいですよね。
誰にでも伝わる写真ではないかもしれない。
でも、自分にとっての「写真の楽しみ方」を、遠慮なく、めいっぱい追求させてくれたのがLOMO LC-Aというカメラでした。
少し感覚的な話が多くなりましたが、ここからはもう少し具体的に、LOMO LC-Aの描写について触れていきたいと思います。
周辺光量落ちと鮮やかな発色
LOMO LC-Aの描写で特徴的なのが、トンネル効果(周辺光量落ち)と、鮮やかな発色です。
トンネル効果とは、写真の四隅が自然に落ちる(暗くなる)ことで、画面の中心に視線が集まりやすくなり、被写体が印象的に浮かび上がります。
当時(2005年頃〜)流行っていた「トイカメラ」の描写がまさにこれ。
完璧ではない描写に、多くの方が心を惹かれました。
また、色の出方もとても特徴的。上記の写真はクロスプロセス現像をしていますが、
*後ほど解説します
フィルムや光の条件によって色が転び、ときには想像以上に鮮やかに写ることもあります。
その不安定さこそが、「次はどんな写真になるんだろう」という楽しさにもつながっています。
クロスプロセス現像との相性も抜群
フィルムでの「遊び」をたくさんしてきましたが、その中でどハマりしたのが、クロスプロセス現像です。
クロスプロセス現像とは、現像の行程(プロセス)をクロスさせることです。
通常はネガフィルムで撮るとネガ現像、リバーサルフィルムで撮るとリバーサル現像を行いますが、
ネガフィルムをリバーサル現像したり、
リバーサルフィルムをネガ現像します。
一般的には、リバーサルフィルムをネガ現像します。これはいわゆる誤現像になりますが、ド派手な発色をしたり、色が緑や赤に転ぶことで、トイカメラユーザーに好まれました。
LOMO LC-Aは、クロスプロセス現像との相性もとても良いカメラなんですね。
やや不安定な露出、描写の緩さやトンネル効果、鮮やかな発色、これがクロスプロセス現像による色転びにすんなりハマってくれます。
一眼のフィルムのように、正確に写すことを目的としたカメラだと、クロスプロセスの結果が「失敗」に感じてしまうこともあります。
でも、LC-Aの場合は、偶然性も含めて一枚の表現として成立してしまいます。
クロスプロセス現像は、LOMO LC-Aの個性をよりはっきりと引き出してくれる表現方法のひとつなんですね。
多重露光と相性の良さ

また、LC-Aは多重露光との相性も良いんです。
多重露光とは、1コマのフィルムに2回以上シャッターを切り、複数の像を重ねて写す技法です。
上記の写真は、「カモメ」と「観覧車」の写真を重ね合わせています。
詳細は以下もご覧ください。
画像を重ねるのでどうしてもごちゃごちゃした写真になりがちです。
でも、LC-Aの緩めの描写が絶妙にハマって、アートな世界を作り出してくれます。
このアナログな合成「多重露光」は、一つの表現として多くのLOMOユーザーに好まれています。
うまく撮れない。でも、それもまたいい
LOMO LC-Aは、ぶっちゃけてしまうと「思い通りに撮れる」カメラではありません。
むしろ、思い通りにいかないことの方が多いかもしれません。
それでも、長く使い続けてしまうのは、その不完全さが写真をより面白くしてくれるからだと思っています。
もちろん、撮り続けることで使いこなせるようにはなります。
でも、たまに良くも悪くも裏切ってきます。
このあまのじゃくなところに、また愛着が湧いちゃうんですよね。
甘いピントに暴れる露出に光漏れ
LOMO LC-Aは、ピント合わせが目測式なので、どうしてもピントが甘くなりがちです。
またピント設定を80cmにしたまま、遠くを撮ってしまうこともしばしば。
露出もオートなくせに、たまにズレます。
でも、その狙っていない写りが、印象的だったり、
その曖昧さが、そのときの感情や空気感を強く思い出させてくれることがあります。
また、光漏れを起こしやすい個体もあります。
モルトの交換でたいていは直りますが、ランダムに起こる光漏れも逆に楽しくなります。
このように、欠点がたくさんあるのが特徴です 笑。
でも、LC-Aはそれを許せてしまいます。
いや、そんなのカメラじゃない!という気持ちがあるのも分かります。だから、好みがハッキリと分かれるカメラですね。
失敗写真も含めて記憶になる
その写真を見た瞬間に、撮った日の匂いや、会話や、感情まで一緒に思い出すことがあります。
LOMO LC-Aで撮った写真には、そういう魅力があると感じています。
完璧な一枚よりも、少し不格好な写真の方が、記憶に強く残ることもあるんですよね。
LC-Aは、写真を「記録」ではなく「記憶」として残してくれます。
失敗してもいいから、写真を撮ることを楽しみたいという方にオススメしたいです。
僕は仕事として写真を撮っているので、普段は失敗は許されません。
だから余計にこのLC-Aの気楽さが大好きなんですよね。
初心者にも使いやすい理由
ここまで読んでいただくと、けなしているのか、褒めてるのか、どっちやねん!って感じですよね。
まず、本来は欠点になる部分が楽しめるという点。
失敗オッケーという懐の深さは、初心者でも気軽感はあるのではないでしょうか?
もちろん、他にもあります。
オート露出で気軽に撮れる
LOMO LC-Aは、露出がオートです。たまに狂うと書きましたが、基本的には適正露出で撮れています。
シャッタースピードや絞りを細かく設定する必要がなく、ピントを合わせてシャッターを押すだけ。
フィルムカメラに慣れていないうちは、「設定を考えること」自体がハードルになります。
LC-Aは、その部分をカメラに任せられるので、撮ることそのものに集中できます。
持ち歩きたくなるサイズ感

LC-Aは、とてもコンパクトで軽いカメラです。
「今日は撮るぞ」と気合を入れなくても、自然とカバンに入れて持ち歩けます。
カメラを常に持っていると、被写体を探す意識が自然と生まれます。
その積み重ねが、写真に大切な感性を自然と育ててくれます。
撮影のハードルが低いこと。さっと撮り出して撮れる。目測のピントだからこそ、撮れる瞬間もあります。
それが、LC-Aが初心者にもやさしい理由のひとつです。
LC-AとLC-A+の違いについて
LOMO LC-Aには、オリジナルモデルの「LC-A」と、復刻版として発売された「LC-A+」があります。
2026年現在は、LOMO LC-A+が、オートフォーカスになった「LOMO MC-A」も販売されています。
MC-Aは購入したいと考えてるので、その際はまたレビューをします。
復刻される際に、変更された点
・多重露光用スイッチの追加
・レンズアクセサリーを装着できる溝の追加
・ケーブルレリーズの装着可能
・ISO(感度)設定方式の変更(ISO100-1600に変更)
・絞りレバーの廃止
・製造国が中国に変更
まとめ|LOMO LC-Aは写真を撮るのが楽しくなるカメラ
LOMO LC-Aは、露出がオートではありますが、「CONTAX T3」や「NATURA CLASSICA」のような、万能なカメラではありません。
描写に甘さがあり、不安定な部分もあり、思い通りに撮れないことも多いコンパクトフィルムカメラです。
それでも、このカメラを手にしてから、写真を撮ることそのものが、ずっと身近で、楽しいものになりました。
うまく撮ろうとしなくていい。
正解を探さなくてもいい。
ただ、その場で感じたことを信じてシャッターを切ればいい。
LC-Aは、そんな写真の原点のような感覚を、何度も思い出させてくれます。
このカメラで撮った写真が、すべてお気に入りになるわけではありません。
でも、あとから見返したときに、なぜか手放せない一枚が必ず残ります。
「写真が少し難しく感じてきた」
「うまく撮ろうとしすぎて疲れてしまった」
そんなタイミングがあれば、LOMO LC-Aは、きっと良い相棒になってくれると思います。
LOMO LC-A(+)の採点

画質 ★★★☆☆
価格 ★★★☆☆
操作性 ★★★★☆
使い心地 ★★★☆☆
携帯性 ★★★★★
デザイン ★★★★☆
ファインダー ★★☆☆☆
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