【検証】再販されたEKTACOLOR PRO 160の正体はPORTRA?実際に撮って比較してみた

EKTACOLOR PROこんにちは、フィルムカメラをこよなく愛する「猫写真家の雨樹一期」です。
今回は、Kodakから新しく(再販)登場した「EKTACOLOR PRO 160(エクタカラー)」を使ってみたので、レビューしていきます。

「EKTACOLOR PRO」シリーズは感度が160と400と800があります。
フィルムカメラユーザーなら分かるはず。どこかで聞いたことある感度設定だと。

はい、実はこのフィルム。海外やSNSで「中身はあの Portra (ポートラ)では?」という声があがっているんですね。

なるほど、それが事実なら「EKTACOLOR PRO」は実質的には再販ではないですね。

同じ名前で再販されたけど、中身が違う状態です。
でも、その中身は現在も販売されているフィルムと同じ。

ややこしくって、混乱してきていますが、ここにはいろんな事情があるんですね。

それは後でじっくりと解説しますが、仮にポートラと同じなら少し手ごろな価格で買える「救世主」にもなりますよね。

ポートラは基本的には5本売りですが、それが1本から買えるのも利点です。

 

ちなみにですが、2026年5月の時点でKodak公式が「Portra 160と同じフィルムだ」と明言しているわけではありません。

なので今回は、実際に撮ってみて、ポートラ最大の特徴である「なめらかな階調」や「肌の質感」などがどこまで再現されているのかを見ていこうと思います。

 

 

【実写レビュー】EKTACOLOR PRO 160 はこんなフィルム

撮影した写真をザザーっとみて思いました。「あ、やっぱりPortra(ポートラ)やな」と。

これまでにポートラで撮りまくってきたわけじゃないけど、仕上がりがとにかくすっきりしていてキレイなんですよね。

「Kodak GOLD200」とかとはやっぱり違うんです。

安価なフィルムの方がフィルムらしさやエモさって出るので、どっちがいいかは好みではありますが、キレイに撮りたい、失敗したくない時は「EKTACOLOR PRO 160」は最適!

 

 

全体の色味・トーン

鮮やかさはやや控えめですね。落ち着いたトーン。

使用したカメラはCONTAX167MTで、レンズはPlanar 50mm F1.4です。
鮮やかでコントラストも強めになるレンズなんですけどね。

仕上がりは優しい色合いですよね。

 

 

変な色の被りもなくってクリア。
ほんと使いやすいフィルムだなって感じました。

 

粒状性

ザラ付きもかなり控えめ。
ていうか、ザラザラ感は全くないレベル。

安価なフィルムだと、暗い部分がザラっとしたり潰れたりするのですが、皆無ですね。
優秀なフィルムだなって、この一枚でも分かります。

圧倒的な階調と白の粘り

これぞポートラという感じの階調と白の粘り。あ、もうポートラとか言うちゃってるけど 笑。
グラデーションがめちゃくちゃ滑らか。

ニャンコとの相性も良いですね。窓際なのに白飛びしてません。

 

ポートレートには最高|風景写真には物足りない?

ちょっと実験的に撮った一枚。
明暗さの激しい中でのポートレートですが、見事すぎる表現力。

明るい部分から暗い部分までのグラデーションがとにかく滑らか。暗い部分も潰れず、白飛びもほぼありません。

真っ赤な薔薇も少し優しいトーンに。

鮮やかさは少し控えめにはなりますが、表現力の豊かさに驚かされますね。
やっぱり優秀なフィルムっていいな。

「EKTACOLOR PRO 160」かなりおすすめです!

最近使った新しいフィルムだと、「Yes!Star 400」 も良かったんですけどね。
粒状性とかはやっぱり圧倒的に「EKTACOLOR PRO 160」が優秀。

 

 

 

EKTACOLOR PROシリーズはまだ新しいフィルムなので、広く販売はされていません。
ネットでも若干、価格が不安定です。

夏くらいには落ち着いて、PRO160は3,000円〜3,500円の間くらいで購入出来るかなと思います。

 

 

 

 

続いて、この作例とポートラを比べてみましょう。

 

PORTRAシリーズと徹底比較!スペックから見る共通点

今回の「EKTACOLOR PRO 160」を語る上で、どうしても避けて通れないのが「PORTRA(ポートラ)」の存在です。

まずは、比較の基準となるポートラがどんなフィルムなのか、僕の印象も交えておさらいしておきます。
ここの項目の写真は全てポートラの作例となります。

 

PORTRA の作例|階調の豊かさと、肌の質感

ポートラを一言で表すなら、「圧倒的な階調の豊かさと、うっとりするような肌の質感」を持った、非常に優秀なフィルムです。
光の捉え方が極めて繊細で、人物を撮ればその場の空気感まで写し出すような、高級感のある仕上がりになります。

最大の特徴は、明るい部分が白飛びせずに粘ってくれること。

「あんな、白って200色あんねん!」

思わずそう言っちゃいそうなほど、グレーから白へのグラデーションがなめらかで、白の表現力がとにかく秀逸なんです。

明暗差が激しい場所でも黒潰れや白飛びがしにくく、やわらかなトーンで描き切ってくれます。

同じKodakなら「EKTAR 100」のような鮮やかさはなく、風景写真にはやや不向きですが、人物撮影ではその実力を存分に発揮します。

一度使うと他のフィルムに戻れなくなるかもしれない魅力がありますが、、、
正直なところ、お値段も最高級。感度800になると、4,500円を超えてきます。

僕は「白飛び」も一つの表現だと思っていますし、愛用しているLOMO LC-Aとの相性がいまいちだったこともあって、実はこれまであまり頻繁には使ってきませんでした。

ていうか、高いし(笑)。

という。僕の中で「性能は1位だけど、コスパを含めると1位にはできない」存在だったフィルムが、ポートラなんですよね。

 

…と、ここまでポートラの特徴を書いてきましたが、なんだかデジャビュ(既視感)がすごいですよね。
そう、先ほどお話しした「EKTACOLOR PRO 160」の特徴と、全く同じ説明を繰り返しているんです 笑。

 

感度設定160、400、800が意味するもの

この「偶然ではないかも」という予感を確信に変えるのが、ラインナップの数字です。
EKTACOLOR PRO シリーズには、感度160、400、800の3種類が用意されています。

フィルムカメラユーザーなら、この数字の並びを見てピンとこないはずがありません。そう、ポートラシリーズと全く同じ構成なんです。

通常、カラーネガフィルムの感度といえば「100、200、400」という刻みが一般的。
そんな中で「160」や「800」という少し特殊な数字を、この3つの組み合わせで出してくる。

これはもう、コダックからの「中身は察してね、ハッキリとは言わないけど」というメッセージなんじゃないかな、と僕は思っています。

 

 

なぜ名前が違うの?「大人の事情」をサクッと解説

フィルムを作る会社と売る会社、実は別なんです

「同じKodakなのに、なんでわざわざ名前を変えるの?」と思いますよね。 実はこれ、フィルムの世界ではよくある「大人の事情」が絡んでいます。

◻︎Eastman Kodak(イーストマン・コダック):フィルムを実際に作っている工場(アメリカの本家)。

◻︎Kodak Alaris(コダック・アラリス):「Portra」などのブランド名を使い、世界中で売っている会社。

これまでは「本家が作って、アラリスが売る」という分業スタイルでした。
ところが最近、本家のイーストマン・コダックが「自分たちでも直接ユーザーに届けたい!」と立ち上がったんですね。

でも、「Portra」という名前の権利はアラリスが持っている。

そこで本家は考えました。「自分たちが持っている昔のブランド名『EKTACOLOR』を復活させて、そこにポートラと同じ中身を詰めて売っちゃおう!」と。

これが、今回の不思議な再販の正体なんです。

あ、一応これは現段階での予想ですが。

 

実質的には「再販」ではなく「ブランドの復活」

昔からのフィルムファンにとって「エクタカラー」は、ポートラが登場する前のプロ用フィルムとしてお馴染みの名前でした。
でも、今回の「EKTACOLOR PRO 160」は、昔のエクタカラーがそのまま戻ってきたわけではありません。

名前こそ懐かしいですが、中身は最新の技術が詰まった「ポートラの血統」になるんですよね。

 

 

KODACOLOR 200とColorPlus 200について

実は、この動きは今回の160だけではありません。 以前ご紹介した「KODACOLOR 200」も、中身は「ColorPlus 200」とほぼ同じではないかと言われています。

コダックの中で、販売ルートを整理したり、より手軽にフィルムを届けようとしたりする大きな改革が起きているのかもしれませんね。

 

 

分かりやすく例えてみると

たとえば、ある有名なパンメーカーが、コンビニ向けに作っている贅沢な食パン『輝く食パン(仮)』があるとします。

そのパンメーカーがやっぱり自分たちでも売ろうかなとなりました。
でも『輝く食パン(仮)』という名前は使えない。

だから、違う名前『黄金の食パン(仮)』として販売をスタートした。

→コンビニの『輝く食パン(仮)』 = PORTRA
→メーカー直販の『黄金の食パン(仮)』 = EKTACOLOR PRO

ざっくりした例えになるけど、コダックのフィルムもこの流れなんですね。

 

「EKTACOLOR PRO」と「PORTRA」はどちらが「買い」なのか?

結論から言うと、「EKTACOLOR PRO」一択です。
ただ、感情的には「PORTRA」です。

撮ってみた印象としては、やはり中身は同じかなと。ポートラ特有のあの「なめらかな階調」や「白の粘り」は、EKTACOLOR PROでも存分に味わうことができます。

では、具体的に何が違うのか、どちらを選ぶべきかを整理してみます。

 

コスパと買いやすさなら、断然「EKTACOLOR PRO」

今回の検証で分かった通り、ポートラと同じ描写が少し手頃な価格で手に入るのは、今の時代において最大のメリットです。

やっぱり、1本から買えるのもメリットですね。
PORTRAは基本的には5本パックです(800は1本から購入可能)。

価格的には常用というより、ここぞという時に使うフィルムなので、5本撮り終わる頃にはフィルムの期限が切れているなんてこともありえます。
そもそも、5本パックだと17,000円くらい。1本ずつ買えるのはお財布にも優しいですね。

 

個人的には、PORTRAの「箱」と「名前」が好き

これはもう理屈ではなく、感情的な話なのですが(笑)。
僕個人としては、「PORTRA」と書かれた箱やフィルムを手に取った時のワクワク感は、何物にも代えがたいなと感じます。

性能は同じでも、この「名前」にお金を払う価値もフィルムカメラという趣味にはあると思うんですよね。

PORTRAが一番好きなフィルムという方にとっては、EKTACOLOR PRO では撮影のテンションが上がらない、なんてこともあるかもしれません。

ま、フィルム装填しちゃったら見えないし関係ないんですけどね 笑。

 

まとめ:フィルムカメラの未来を明るくする一箱

今回の検証を終えてみて、改めて「コダックさんありがとう!」という嬉しい気持ちでいっぱいです。

ポートラという最高峰のフィルムが、名前を変えて、しかも手に入れやすい形(1本単位・少し安価)で販売されたこと。
これは単なる新商品の登場以上に、フィルムユーザーにとって大きな意味があると感じています。

「高すぎてポートラには手が出せない」
「失敗したくないから、もったいなくてシャッターが切れない」

そんな不安を少ーしだけ解消して、もっと自由に、もっと贅沢に「光のグラデーション」を楽しめる。
EKTACOLOR PRO は、これからのフィルムユーザーの「新しい定番」になっていくはずです。

感度別に1本ずつくらい、常用しておくのもいいですね。

どんどん高騰化していくフィルム事情にうんざりしていましたが、「いやいや!カメラの未来はまだまだ明るいよ」と、

そんなことを確信させてくれる、「救世主」。それがEKTACOLOR PRO シリーズです。

 

…欲をいえば、

PORTRA はもともとNCとVCに分かれていました。統合されたんですが、実質的にはVCが無くなった状態。
このVCはビビットカラーで鮮やかだったんですよね。

僕の撮影はポートレートがメインではないので、VCも使いたいなぁと。
鮮やかさと柔らかさが絶妙だったんですけどね。

 

オススメ度 ★★★★☆
ふんわり ★★★★★
鮮やか ★☆☆☆☆
ノスタルジー ★☆☆☆☆
ドリーミー ★★★★☆
キレイ ★★★★★
面白さ ★★★☆☆
価格 ★★☆☆☆

 


 

フィルム別の発色について

これまでに使用したフィルムでランキング記事をまとめました。ぜひ下記もご参考ください。
また、新しいフィルムのレビューも追加していきます。

▶︎ おすすめ35mmフィルムランキング【2026年最新】|ネガ・リバーサル・モノクロ徹底比較

 

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